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3月
11
2009
2

ニューヨークの住居価格と、プロの選び方と。

去年、サブプライムローンをトリガーに不況(というか単なるバブル崩壊)が始まり、リーマンブラザーズの倒産によって不況が加速しました。まあ、リーマンブラザーズ本社ビルの成り行きをオフィスの窓からぼーっと眺めてた私にとってはこれは事実として受け止めるべきことかと思ってます。

で、「不況なのに価格が下がらない」とされたマンハッタン内の物件も、ついに年末年始から大きく値崩れを始めました。

もちろんこれはなにかのチャンス!

と、行動を起こし始めた私は、まず最初に新しいアパートユニットを買って、現在のアパートを引き払う算段を立て始めました。

先週、めぼしい物件が破格で見つかったので、そこらへんの銀行に飛び込みで「お金かしてー」と入っていったんですが、

「んー、あなたならコンドミニアム(※)なら頭金10%、年利5.2%くらいでいけるよ。頭金20%入れてくれたらCo-op(※)でもOKだよ。」

と言ってくれました。「じゃあとりあえずそれで進めてよ。」と言ったら、数日後に「上のOKが出たから書類送って」と連絡が来ました。そんな話を売り手のブローカーにしたら、「いやいや、そりゃ高いよ。Co-opでも頭金10%でいけるとこ紹介するよ。」といわれました。まあ、お金を貸す側も、ちゃんと払ってくれそうな人にはどんどんいい条件を出してくれる状況だってことですね。いやあ、明らかに買い手にはチャンスです。

と こ ろ が。

今日、飲み仲間からあまりにも驚きの事実を耳にしました。

「『今、頭金は35%くらいが普通です』なんてこと平気で言ってるNYの日系不動産屋があるよ。」

・・・・・・・ぇええええ!?

ありえない。なんでそんなに時代と逆行したこと平気で言ってるんだ?と思ってよくよく話を聞いてみると、「いや、実は私もおかしいと思って、なんで35%か聞いてみたの。そしたら、テレビのニュースで頭金の平均が35%うんぬんってのがあったらしくて、そのまま言ってるらしいの。ありえないよね。」

まったくです。こともあろうに在NYのプロの不動産屋が、隣の銀行じゃなくて、全世界に放送されてるニュースを情報源にするなんて。利用者に合っていない情報を、もっともらしく、駐在員のような情報弱者に教えているようです。。。もちろん、私が懇意にしている在NYトップの某日系不動産屋の話じゃなかったんで一安心ですが、中にはそんな不動産屋もいるってことです。結構有名なとこです。

利用者からすれば、いったい誰を信じればいいかわからなくなる話です。でも、よくよく考えれば、2,3件の不動産屋、あるいは銀行に聞けば、この不動産屋がいかにいいかげんな仕事をしてるかわかるわけです。それが面倒くさければ、最近家を買った人とか、買おうとしてる人と情報交換しただけでもすぐわかることでしょう。

いいかげんな仕事をするプロ。きっちり仕事をするプロ。やはりこれは利用者自身がある程度見る目を持って選ばなければならないんでしょうね。そしてそれはすごく簡単で、他の意見も聞いてみる、ただそれだけなんでしょう。

ああ、ITコンサルとしても、選ばれるようにきっちりやっていかなければ、と身の引き締まるおもいです。

※コンドミニアム
分譲マンションみたいなもんです。ユニット1つが単体で売りに出ています。

※Co-op
共同所有マンションといったところです。ユニットが売られてるのはコンドミニアムと同じですが、建物内の所有者同士で自治体ができています。そのため、管理費が高いです。

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Written by hitomi in: 経済, 街の様子 |
3月
10
2009
2

Microsoft 企業向けSaaS、日本で初公開

「・・・SaaSってなに?」

はい、すみません、突然専門用語ですが、例によってご心配なく。簡単です

SaaSというのは、もう多くの人が使っています。あなたも知らず知らず使ってるかもしれません。
SaaSとは、Software as a Serviceのことで、要は

「使う機能、使う期間、使う人の分だけ、料金を払ってください。」

ということです。これまでのソフト、たとえばMicrosoft Office のように、自分が使わない機能までひっくるめてライセンス買取しなきゃいけないんじゃないところが特徴です。

GmailやHotmailも、SaaSの仲間です。Googleアプリもそうですね。ある一定までは無料でOK。ちょっと高機能に、たとえば容量を増やしたりして使おうとすると、お金を払う必要があります。さらに独自ドメインで使ったりセキュリティ機能を追加すると、1ユーザーあたりいくら、という感じに課金されます。これがSaaSの典型例です。

他には、Eコマースサイトを運営してる場合もよくSaaSが利用されています。独自ドメインでWebを開設するだけなら、レンタルサーバー基本料金だけ。ショッピングカート+カード決済+SSL通信機能を使うと月額$20の追加。商品紹介ビデオを載せるために追加スペースを利用する場合月額$30の追加。といった具合に、機能を増やす分だけ月額料金が上がっていきます。

さて、やっと本題です。

Microsoftが日本で企業向けSaaSを公開しました。アメリカでは昨年11月からやってるんですが、今回は日本での商用運用開始前に無料のベータ版試用を4月の本番稼動前までさせてくれるそうです。

名前は「Microsoft Online Services」で、今回開始されるサービスは以下のとおり。今後サービスは増えます。

「Exchange Online」電子メールと予定表共有、会議室予約の機能
「SharePoint Online」ファイル共有、ポータル、掲示板、情報共有サイト
「Office Live Meeting」Web会議とアプリケーション共有

料金は、上記すべての機能を使った場合(BPOSプラン)1ユーザーあたり$15/月で、機能や容量を落としたDeskless Workerプランだと$3/月と、かなりお手ごろになります。(いずれも現行のアメリカ版料金)

ちなみに、このサービスはクラウドコンピューティング(ユーザーは、データやサービスがどこにあってどんなメンテナンスがされているか気にしなくていい)で実現されているので「クラウドサービス」と呼ぶこともあります。でも、利用者視点ではSaaSという言葉のほうがしっくりきますね。

でもこれって・・・

Microsoft Officeを持ってることが前提になってないか?

というツッコミはなしです。笑

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3月
09
2009
2

噂のクラウドコンピューティングってなに?

IDCの発表によると、2012年までにクラウドコンピューティングに対する企業の投資額は$42,000,000,000にもなるそうです。

で、そのクラウドコンピューティングってなに?

という話なのですが、まずは今回のIDCの発表にくっついているグラフを見てみましょう。最初の円グラフです。

「現在のクラウドコンピューティングについて、あなたの意見は?」
(IT executives and CIOs in APEJ, Jan 2009)

8% ベンダーの誇大広告に過ぎない
18% 今までの技術の名前を変えたに過ぎない
22% 決断を下すには時期尚早だ
25% 興味深いが、弊社ではまだ導入しない
17% とてもいいが、まだサービスの種類が豊富とはいえない
10% これは本当にすばらしい

ということで、否定的な意見が26%、肯定的な意見が52%と、これから来そうだということがわかりますね。

で、肝心の「クラウドコンピューティングとは?」ですが、一言で言うと

パソコンをネットにつなぐと、どこにどんなサービスやデータがあるかを利用者があまり意識することなく、いろんなサービスやデータを利用できる。

ようにするための仕組みです。いつもどおり、厳密に言うと少し違うんですが、利用者の目から見るとまあこんなもんだ、と思ってください。

「今までだって、インターネットにつなげばいろんなサービスが利用できたじゃないか。」というのと根本的に違うのは、上記下線部の「(雲=クラウドのようなインターネット上で)どこにどんなサービスやデータがあるかを利用者があまり意識することなく」という部分です。

何のことを言っているかわかりにくいと思うので、まずはわかりやすい例を見て見ましょう。
まずgoogle.co.jpで「NY IT コンサル」というキーワードで検索してください。美頼ITソリューションズなどが列挙されますね。
次にgoo.ne.jpで「NY IT コンサル」というキーワードで検索してください。スポンサーリンクの下には、さっきgoogleで検索したのとまったく同じ情報が出ていますよね?
つまりこれは、googleもgooも同じ検索用データ・検索エンジンを使っている証拠であり、利用者はそんなこと意識せずに好きな検索サイトを使っていればいいのです。
これが、「データがどこにあるか利用者は意識せず使っている」の例ですね。

もちろん、実際には既存のインターネットの仕組み上に、「必要に応じてあっちこっちから情報やサービスを引っ張ってくる」という仕組みを追加しただけですから、既存技術の延長だと否定的な専門家も多い状況です。例で挙げたgoogleとgooの情報共有だって、最近始まった話じゃありません。ただ、やはり一般の利用者にとっては、これはどんどん進めてもらって「いろんな機能やデータを使うために、いろんなWebサイトにいく必要がある」という現状を打破してもらいたいものですよね。この「インターネット上に散在するサービスやデータを一般利用者が最大限利用できるようにうまいことやってよ、技術者さん!」という思想こそが「クラウドコンピューティング」です。

世の中には、クラウドコンピューティングにとても否定的な技術者さんやベンダーさんもいっぱいありますが、どうもその話を聞いていると、技術的なことばかり話していて(確かに技術的な飛躍的進歩はほとんどないのです)、あまり利用者側の立場に立っていないんじゃないかなーと思うことが多いです。もちろん肯定的な立場のベンダーさんの中にも、うまくクラウドコンピューティングを説明できてないところも多いようですが。

ということで、もうこのBLOG記事を読んだあなたはクラウドコンピューティングの本質が何かわかったといっても過言じゃないでしょう。今日から、「あ、これもクラウドコンピューティングじゃない?」という目でネットのサービスや機能を見てみてください。きっと新しい発見があります。

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